エンジンが掛からない!掛かりずらい!! 突然エンジンが止まる!(ストール) クライスラー等の外車のエンジン不調をメンテナンスする方法 DIY 第一弾! フューエルポンプ クランクシャフトポジションセンサー カムポジションセンサー編!
本日は、エンジンが掛かりづらい症状と、セルは回るがエンジンがウンともスンとも掛からない、こんな症状の時についてお話をしていきたいと思います。
まず初めに、いくつか原因が考えられると思うのですが、輸入車などでは結構原因が限定的なようです。
ただし条件として、
・エンジンは生きている
・バッテリー、オルタネーターも生きている、繋がっている
・インジェクション、プラグが交換してある
・ECUトラブルなし
・その他、以前のページで紹介した故障がない
が前提で、お話をしていきます。
まず、インジェクターの故障が無くとも、エンジンを切った後に、インジェクターからガソリンの液だれのようなものがあり、結果としてシリンダー内のガスが濃くなり、エンジンが掛かりずらくなることがあります。
つまり、エンジン切った後でも、少しガソリンが洩れていて、「リッチな状態」になりすぎているんですね。
「朝一番はすぐ掛かるのに、しばらく走った後はエンジンが掛かりずらい。」というのは、まさにこれが原因ではないかと思います。
この事からエンジンを掛ける際は、一度数秒セルを回して、シリンダー内のリッチなガスを排出し、しばらくしてから、再度セルを回して、新しい適量のガスを入れ、エンジンを始動すると、始動しやすくなります。
まずは、これで始動した後に対策を練って下さい。
ちなみに、2007年度 クライスラー300 3.5Lの
インジェクターの型式は、
04591986AA です。
インジェクターは微量のゴミであっても、影響を及ぼすので、注意が必要です。
このような状態がひどい場合、まずは、ワコーズ F-1 フューエルワン 洗浄系燃料添加剤 F112 300ml F112 [HTRC3]を連続で3回程度使用し、様子を見て、改善が見受けられない場合は、インジェクション本体ごと交換した方が良いかもしれませんね。
インジェクターを取り外す際には、フューエルポンプのリレーを取り外した状態でクランキングをして、燃圧を下げてから作業に入ります。
まずは、フューエルポンプのフューズを外してクランキングして、燃圧を下げるんですが、場所はというと、
これが、フューエルポンプのフューズになるので、
バッテリーの側にあるカバーを外し、
カバーの裏面を見ると、番号が記載されているので、
番号のフューズを外します。
それが出来たら、少しクランキングをして、フューエルラインにあるガソリンの燃圧を下げます。
今度は、バッテリーを外して、インマニを外すんですが、外し方は、こちらを参照して下さい。
インマニを外すと、フューエルラインにアクセス出来るので、ブラケットがM13×4か所だったかな?で、取り付けられているので、それを外したら、
今度はラインごとインジェクターを外して、その後にカプラーの赤い場所を引き上げたら、真ん中のつまみを握りながら引き抜きます。
今度は、金具のような物でラインとインジェクターが取り付けられているので、これも外します。
外れたインジェクターです。
今度は、引き抜いたインジェクターの中を、今度はKURE パーツクリーナーで、洗浄します。
本来は、バッテリーか何かに配線を繋いで、インジェクターを開閉しながら行うと良いみたいなんですけど、メンドクサイので、このまま洗浄。
取り付ける際には、Oリング部分にガソリンを塗布して、取り付けます。
最後に逆の手順で取り付けるんですが、フューエルラインボルトの取り付けの際には、28Nmで締めて、完成。
次に、上記以外の原因であれば、まずは、5つ疑います。
セルがうんともスンとも回らない場合は、
・ヒューズボックス内にある オムロンのスターターリレー 型番21911C が壊れている。
・セルモーターの故障
セルは回るが、エンジンが掛かりずらい場合は、
・フューエルポンプ、プレッシャーポンプの故障
・フューエルポンプのリレーの故障
・インジェクターの故障
・カムポジション、クランクポジションセンサーの故障
とまあ、こんな感じですかね。
あくまで上記が問題無い場合の話ですけど・・・
今回お話しするのは、結構よくあるケースの2点についてお話をしていきます。
まずは、フューエルポンプ。
日本車でここが壊れるって、ほとんどないんでしょうけど、輸入車の場合、5万kmに一回の頻度で壊れます。
というか、これも「消耗品」の一部として考えているようです。
それに付け加え、故障があっても、エンジンチェックランプが点灯しないらしいです。
エンジンをOnにした時に、ポンプからモーター音が聞こえない場合、故障している可能性が高いです。
フューエルポンプが故障すると、「クランキングはするけど、まったくエンジン掛からない」って状態になるのは、これがエンジンへガソリンを送る役目をしていることからなんですけどね。
故障すればガソリン送られないんだから、当然掛かる訳ないですよね・・・
ただフューエルポンプの交換は、あまりにも危険なので、原則車屋さんにやってもらった方が良いです。
ガソリンが気化して、爆発が起きやすい状態になっているので、作業する前に当然バッテリーを取り外して、出来ることなら防爆仕様の工具が売っているので、そういうのを使用して作業を行った方が良いと思います。
ちなみに、2007年式クライスラー300 3.5L の
フューエルポンプの型式は、
05136021AD です。
ちなみに、上記は18ガロン用ですが、
19ガロンのタンクを使用している場合の型式は、05136922AD となります。
19ガロンは、5.7Lとかで使用されているようですね。
とりあえず、フューエルポンプのリレーを取り外した状態でクランキングをして、燃圧を下げます。
それが出来たら、バッテリーを外して5分間経ったら、後部座席の下にガソリンタンクがあるので、まずは、シートを取り外します。
シートの下から上に引き上げれば、すぐに取り外せます。
シートを取り外すと、シートに切り込みが入っている所があるので、これをめくると、
黒いゴムみたいのあるので、それを取り外し、
さらにこれも外します。
コネクターを外し、
その後、マイナスドライバーかなんかで、金具を回して取り外します。
そしたら、フューエルポンプの蓋を引き上げます。
このホースを外し、
さらに2本あるホースを外します。
それが出来たらフューエルポンプの本体を外して、新しい物と取り替えます。
これで、完成ですね。
最後に、キーをACCに回して、フューエルポンプを作動させ、何度か繰り返して燃圧を高めたら、エンジン始動。
ただ、まずは作業始める前にリレーの故障を疑ってみて下さい。
場所は、トランク下部のフューズボックスにあります。
フューエルポンプのリレー型式
OMRON 21911C
05269988AA です。
また、温間時や冷間時のどちらかに燃圧が悪くなって掛かりずらい場合、フューエルプレッシャーレギュレータが悪い場合もあります。
このプレッシャーレギュレータの役割は、燃圧を一定に保持する目的なんですが、通常アクセルを閉じるとバルブが閉じますが、シリンダーが動いているので、インマニ内が負圧になり、インジェクターから、さらにガソリンをクランク側に吐き出そうとする動きをします。
これをバルブを開放する事で、燃圧を下げ、結果としてインマニの負圧を下げ、制限しようとします。
そして、プレッシャーレギュレータが故障すると、燃調が薄くなったり、濃くなったりするそうです。
この取り付け場所は、フューエルポンプの隣に似たような物が組み込まれていると思いますが、それがフューエルプレッシャーレギュレータです。
型式については、05136023AB となります。
で、このプレッシャーレギュレータを交換する場合、まずはホースのカプラを外します。
カプラの青いやつは、再利用するので、取っておいて下さい。
で、プレッシャーレギュレータを引き上げると本体が見えてきます。
ガッツリ引き上げる前に、フューエルポンプ側にプレッシャーレギュレータ側からホースが3本出ていると思います。
これの先端を3本まとめて針金のようなもので縛ってから、プレッシャーレギュレーターを引き抜きます。
今度は、新しいプレッシャーレギュレーターに先程通した針金を取り付けてフューエルポンプ側の針金を引っ張りながら、プレッシャーレギュレータを取り付けます。
最後にフューエルポンプとホース類を接続します。
あとは、蓋を締めて終了です。
次はクランキングするけど、エンジン掛かりずらい場合に行うカムシャフトセンサーとクランクシャフトポジションセンサーの交換について。
【カムシャフトセンサー】クライスラー LX300C 2005-2007年モデル 5.7L/6.1Lエンジン
※ これは、今回の3.5Lの物ではありません。自分の年式や排気量の合わせて購入してください。
このカムシャフトセンサーっていうのは、読んで字のごとくカムシャフトの位置を測定しているセンサーです。
通常クランクシャフト2回転でカムシャフトが1回転するんですけど、そのエンジンの圧縮上死点を計測して、適切なタイミングでプラグへ点火しています。
そのタイミングを計測しているセンサーなので、ここが壊れてくると、エンジンが、当然掛かりずらくなります。
ではとりあえず、その場所を。
エンジンルーム開けてすぐ手前にあります。
ボルト一本で止まっているので、それを取り外して、更にコネクターを外します。
取り外すとこんな感じ。
これを新しいものにすると、終わりです。
これとは別に、エンジンが突然止まったり(ストール)した場合に、非常に怪しい場所は、クランクシャフトポジションセンサーなるもの。
ミッションオイルパンの前の上側がセンサーの場所なんですが、熱が籠りやすいのか?しばらく走った後、コンビニなんかでちょっと止めたりした時に、エンジンが掛かりずらくなる時の原因になるセンサー。
温間時にエンジンが掛かりずらいのであれば、こちらを最初に疑った方が良いかもしれません。
取り付けられている場所が、かなり狭いので、首振り型のラジェットでないと外すのが困難です。
右側マフラーの付け根部分の間になるので、手が一本ギリギリ入るくらいです。
ちなみに、M10×1か所で止まっていて12Nmで締め付けます。
締め付ける際には、熱によるボルト固着がしないように、LOCTITE(ロックタイト) 焼き付き防止潤滑剤 耐熱タイプ 51001J [HTRC9]を塗布して、取り付けて完成。
それぞれの型式でいうと、
2007年式 クライスラー300 3.5Lの場合、
カムシャフトポジションセンサー
型式 05029808AD
クランクシャフトポジションセンサー
型式 05029811AC
となります。
初期症状で、どちらが悪さしているか解らなかったら、両方変えてしまった方が良いかもしれませんね。
どうしても、お金掛けたくないのであれば、クランクシャフトのセンサーを先に変えてみて、様子見て、駄目ならカムシャフトを交換してみると良いかもしれません。
カムシャフト側は簡単に変える事が出来て、熱によるダメージが少なそうなので。
最後に冷感時にエンジンが掛かりずらい場合について。
水温センサーが故障すると、冷感時にも関わらず、センサー側で高い温度を指し示すことがあり、冷感にも関わらず、ガスが薄い、つまりチョークが効かない状態で始動しようとするので、結果的にエンジンが掛かりずらくなります。
で、水温センサーはこれです。
ちなみに、水温センサーは、ファンベルト付近にあり、取り外しにはディープソケット19mmが必要になります。
尚、締め付けトルクは27Nmとなります。
お客様から私への成績表です。
ポチっと押してくれた数が多ければ、それを指針にして活動を行なっていきます。