フロントフォークのオイル漏れが合った為、オーバーホール作業を自分でやってみる DIY編 Dトラッカー KLX250 モタード オフロード車
本日は、Dトラッカーのフロントフォークからオイル漏れがあったので、これをDIYで修理してみたいと思います。
フロントフォークのオーバーホールを業者に頼むとおおよそ5万円ぐらいかかりますが、自分で治せるなら、消耗品の部品を購入するのに1万ぐらい、オイル1500円ぐらいになるので、かなりコストダウンできます。
しかし、いろいろ工具も使用するので、ある程度工具の揃った人ならやる価値はあるかもしれませんが、何もないなら、素直に業者に出したほうが良いと思います。
工具を購入するのに、業者に出すのと変わらない以上のコストが掛かりますからね。
では早速、スタートです。
まずは、アウターチューブのトップキャップを緩める前に、ノギスでトップキャップとトップブリッジの幅を計測します。
フォークの出を左右合わせるために、必要な作業です。
計測できたら、メモをしておきましょう。
そしたら、トップキャップを外すんですが、トップ(TOP) エコワイド HY-42を使用して取り外せるならいいけど、かなり固いので、インパクトレンチがある方はTRUSCO インパクト用ロングソケット(差込角12.7)対辺30mm T430ALで、外したほうが楽です。
インパクトは、後々大きな役割をするので、購入したほうが良いでしょう。
ちなみにここでは、軽く緩めておく程度にしておいて下さい。
フロントフォークの下を見ると、このようになっています。
今度は、このドレンボルトを外します。
ここも大きくて、ASH インパクトレンチ用ヘキサゴンソケット12.7□×14mm UX4014は、一般的なホームセンターなどでは取り扱いが少ないというより、なかなか見当たりません。
ここも、インパクト用の六角を購入することをお勧めします。
とにかく硬いので・・・
ちなみに、ここの六角も、軽く緩めておく程度にしてください。
そしたら、両サイドのカバーを取り外します。
取り外したら、
ここを手で回る程度に緩めて、
今度はタイヤを外す準備をします。
駆動箇所なんかは、かなり固めにしまっているので、スパナで回すと、ナメッたりする場合があります。
出来るだけSUN UP 両口メガネレンチ 6丁組を使用するようにしましょう。
シャフトが取れると、スピードメーターのやつが取れます。
シャフトも取れたら、クリーナーで洗浄しておきましょう。
次にフォークを止めているここ。
ここを2か所、もう一段下に一か所あるので、緩めます。
この時、KURE [ 呉工業 ] 5-56 (320ml) 多用途・多機能防錆・潤滑剤 [ 品番 ] 1004などを使用したりすると、するっと外れますが、それでも固いので、
マイナスドライバーでこじって広げながら外します。
今度はキャリパーを外すんですけど、2か所で止まっているので、これを外したら、
ブレーキホースに変な負荷がかからないように、細いワイヤーみたいのを使用して、宙ぶらりんにしておきます。
それが出来たら、トップキャップを完全に緩めます。
トップキャップを緩めたら、中のオイルは、すべて出してください。
上下にスポスポすると、たくさんオイルが出てきます。
オイルを全て出したら、中にあるスプリングまで出しておいてください。
このとき、スプリングの向きを注意してください。
どちらか片方が、テーパーになっているので。
入れる時には、向きがあるので忘れないようにして下さい。
それができたら、中にあるダンパーの上部にナットが付いているので、そこをスパナで押さえながら、ドレンボルトをインパクトで一気に回します。
というのも、中にあるダンパーとドレンボルドが連結されているので、勢いよく回さないと、ケース内でぐるぐる回っちゃって、緩んでんだか、どうなんだかわからないんですよね・・・
インナーチューブとは連結されていないので、緩める時に、「ねじ山馬鹿になった!?」と驚かないで下さいね。
油圧ダンパーとドレンボルトが外れるとこんな形になります。
今回は、ドレンボルトの平ワッシャーとパッキンについては、大丈夫そうだったので、交換しません。
でも、普通は、した方が良いですからね。
ドレンボルトの六角の中にマイナスドライバーが入る鍵穴があります。
ここがダンパーの硬さを調整するところになるんですが、左に回すと硬くなり、右に回すと柔らかくなります。
外したら、まず今、何回転の場所なのかをメモしておいてください。
組立の際には、ドレンボルトの先端を傷つけないように、引っ込めておいた上で、油圧ダンパーと連結させるので。
次にダストシールを取り出しますが、ここはマイナスドライバーで均等にゆっくりとこじって外してください。
今度は、中にスナップリングがあります。
スナップリングは溝にはまっているので、これをマイナスドライバーでゆっくりと、内側には外していきます。
外れたら、今度はアウターチューブとインナーチューブを互いに外方向に、引っ張ります。
コンコンとやっているうちに、外れると思います。
外れたら、インナーチューブにこのように色々パーツが付いていますので、
※ ちなみに、今回変更するのは、
・トップキャップ Oリング 92055−1333
・ダストシール 92093−1342
・スナップリング 92033−1077
・オイルシール 92049−1373
・平ワッシャー 92022−1299
・メタルシール 92028−1581
になります。
まずは、ワッシャーを取り外しますが、これも溝に、はまっているので、マイナスドライバーで軽くこじりながら外していきます。
外れたら、今度は、すべてをヤマハ(YAMAHA) スーパーキャブレタークリーナー 泡タイプ 500ml ヤマルーブ 90793-40073を使用して、洗浄します。
この時、プラスチック部分やゴム部分につかないように注意してください。
それができたら、今度は新しいパーツを使用して、元に戻していくんですが、順番と向きに気を付けてください。
わからなくなるようでしたら、写真に撮っておくと後で解らなくならないと思います。
そしたら、今度はワコーズ SSG スーパーシリコーングリース チューブ 耐熱シリコーンブレーキグリース 100g V251を塗布して、
インナーチューブにサランラップを巻いて、エッジが出ている部分でダストシールやオイルシールなどを傷つけないようにしながら、入れていきます。
順番的には、ダストシール → スナップリング → オイルシール → 平ワッシャー → ワッシャー → メタルシールの順番ですね。
今度は、特殊工具を使わずに、オイルシールを打ち込めるように、塩ビのパイプを切ったものを使用します。
クボタシーアイ 排水用塩ビパイプ VU 40X2M VU40X2M
これを半分に切って、角を少しだけ丸めて、シールに傷つかないようにして、打ち込みに使います。
オイルシールをアウターケースに入れて、上からプラスチックハンマーと塩ビを使って打ち込みます。
ベッセル(VESSEL) プラスチックハンマー 70 1LB No.70-1LB
この時、左右対称に、「コンコン」と少しづつ押し込んで下さい。
それができたら、今度はドレンボルトと油圧ダンパーを取り付けます。
取り付ける時には、ボルトをインパクトで締める前に、先の出を引っ込めておいてくださいね。
で、ボルトを止め終わり、オイルシールを入れたら、スナップリングなんですが、これが最初の難関です。
スナップリングを溝に入れるようにマイナスドライバーを使用して、こじっていきますが、シールを傷つけないように注意してください。
そしたら、今度はフォークオイルを入れていきます。
カワサキ フロントフォークオイル KHL15−11(1L) J44091-0020
Dトラッカーの油量は、519ml±4になっているので、メスシリンダー等を使って、しっかりと計測していきます。
フォークオイルを半分ぐらい入れたら、まずはアウターチューブとインナーチューブを広げて、アウター側を手で押さえて空気が逃げないようにします。
その状態で思いっきり押して、この上下を10回位行います。
行うと、「コポコポコポ」って空気が外に逃げてきます。
これがエアー抜きですね。
今度は、オイルをすべて入れて、油圧ダンパーのエアー抜きも、同様に行います。 上下に繰り返し繰り返し。
それが終わったら、ダンパーの上にナットが付いていますが、それに引っ掛けるように細い針金を巻き付けます。
これは後程、取り外すので、がっちりしなくていいです。
その針金をスプリングの中を通して、ワイヤーを引っ張ります。
トップキャップにもOリングを付いているので、グリスを塗り、新しいOリングを取り付けておきます。
取り付けたら、油圧ダンパーと接続するんですが、これが最後の難関。
ワイヤーを引っ張りながら、スプリングを下に下げてトップキャップをはめ込みます。
治具を作ってはめてもいいんですが、片手でできるので、今回は作りません。
はめ込み終わったら、ある程度締めて、トップブリッジに組み込み出来たら、増し締めを行い作業終了。
お客様から私への成績表です。
ポチっと押してくれた数が多ければ、それを指針にして活動を行なっていきます。